"Frank Lloyd Wright(米1867〜1959)"彼の設計した家を好きになったのが何時ごろだったのかは覚えていない。しかし、いつの間にか私の中で「いつか家を持つなら、フランク・ロイド・ライトのような家にしたい。」と強く思うようになっていました。

カウフマン邸(落水荘)

ライト氏との出会いは、この"落水荘"でした。
清流が流れ落ちる滝の上に住宅が立てられているなんて、信じられる？
当然私は建築は素人であり建築なんて全く興味がありませんでした。しかしこの住宅に惹かれた私は、ライト氏について、書籍・ネットを通してその足跡を調べたのです。
そして、いつしかライト氏の手掛けた住宅の写真集を見ていくうち、私はライト氏の手がけた建物を建築物としてではなく、美術品として魅せられてしまいました。

ライト氏の住宅が好きになった理由は幾つか挙げられます。
	1.	家が風景に溶け込んでいる 落水荘をはじめとする多くの住宅が実に良く回りの風景にマッチしています。
	2.	直線と水平線のバランスが綺麗 ライト氏が設計した家には、共通する特徴が2つあります。 一つは、直線が有効に使われていることです。家のデザインや間取りの殆どが直線で描かれています。 そしてもう一つが、その直線を更に有効に効果的に演出している長い水平線です。この長い水平ラインにより、建てられた家は土地と同化すると共に、屋内では家に広がりを持たせ精神的な安らぎを与えます。

3.	和風のエッセンスが感じられる ライト氏もまた多くの近代西洋芸術家達同様、日本文化から強い影響を受けています。内装、家具はどれも質素にまとめられ、格子のデザインが気品を高めています。
4.	シンプル とにかく、ライト氏の住宅の内装は「シンプル」この一言に尽きます。シンプルにまとめることはセンスが必要ですが、逆に時代に左右されずいつまでも新鮮に映ります。

5.

モール 内装に共通した大きな特徴として、モールが挙げられます。窓やドアの高さにモールを通すことで、全体的に広くフラットな感じを出し、モールによって、壁にアクセントが出来ています。 また、モールの位置に合わせた窓の外観は、屋根の下に位置し、視覚的にフラットなイメージを与え、部屋の内部はモールにより非常に天井も違和感なく感じます。

6.	その他 初めてライト氏の住宅の中を見た時、不思議と"懐かしさ"を感じました。年代モノですもの"古い"のは否定出来ませんが、懐かしさから来る"安らぎ"と"安心感"があったのです。それは、インテリアや内装が、子供の頃に見ていた"奥様は魔女"の舞台となったサマンサとダーリンのリビングに似ていたからだと思います。この番組が大好きだった私は、密かにこの時代の古き良きアメリアに憧れていたのです。

ライト氏は91歳までの間に、住宅からホテル・ビル・協会・美術館まで実に約800もの建築を手掛けました。
なかでも、住宅に関しては高級住宅から普及住宅まで幅広く手掛け、それらは外装・内装・インテリアに到るまで、いずれもこれらのエッセンスが有効に生かされているのです。

しかし…正直なところ、私が惹かれた住宅って、高級住宅だったんです(＾＾)ゞ
恋は盲目じゃ無いケド、単に惹かれていた頃は全然気がつかなかったんですよ。
自分がマイホームを考えるようになって、初めて気がつきました(笑)
ちなみに、ウチの奥さんは最初から気がついていたそうです(^^;